統合失調症の妻と子供たちが僕に教えてくれた事。

ある日妻が統合失調症になりました。初めての陽性反応から入院、退院してから現在までの事を少しずつ綴っていきたいと思います。同じ疾病を抱えた人やその人を支える家族の方へ少しでも情報提供になればと思います。

忘れもしない1日。初めての陽性反応。♯3

みかちゃんはあの部屋には帰りたく無いから実家に泊まってと言ってきた。

僕は分かったといいじゃあお泊まりの準備を取りに行くねというと、「ダメ!絶対帰ったらダメ!!」あまりにもの勢いに驚きながらほな、ユニクロ行こうパジャマ買うわと言うとみかちゃんは「いいよ」と。

 

僕は近所のユニクロに車を走らせた。

助けてくれた友人と待ち合わせた場所から今までにみかちゃんは定期的に塩を舐めている。

 

車を走らせながら僕はずっと気になっていた事を聞いた。

さっき言っていた、2階に住んでいた人が自殺したのってほんと??

そう聞くと突然みかちゃんは車の後ろで大声を出した。

 

「きゃ〜!!!なんでそんな事言うん???なんでそんな事聞くん!!

やめて〜!!」急に泣きながら大声で叫んだ。

 

僕は突然の事でびっくりして、「ゴメンねゴメンねもう聞かないから」

と言いながらみかちゃんをなだめた。

みかちゃんは塩を舐めながら何かに取り憑かれたように泣きながら暴れていた。

 

僕はその時、これが現実に起きている事なのか、夢なのかよく分からなかった。

 

その後、少し車を走らせるとまた急に「車を停めて!!今すぐ!!今すぐ停めて!!

死んでしまう!!!!!」とみかちゃんは大声で叫び出した。

 

もう訳がわからない、、、、、、、、、、

 

ここは国道で夕方で帰宅の車も多くみかちゃんの望む通りすぐに停車することは

不可能だ。車を少し走らせて停車できそうな場所を探す。

車を停めれそうな散髪屋さんを見つけたので車を停車する。

 

この時点で今まで見たことのない様子のみかちゃんを見た僕はこれはただ事では無いと感じていた。今考えると僕は本当に鈍感だと思った。

 

停車した後車を出ようとするとこれまた凄い勢いで

「出たらダメ〜死ぬ!出たら死んでしまう!!」と言ってきた。

僕はビックリして分かったごめんごめんと言ってそのままの状態をキープしていた。

みかちゃんは定期的に塩を舐め、僕の口にまで塩を擦り付けていた。気がつけば車の中は塩まみれになっていた。

 

その後みかちゃんは、停車した場所の近くに高校の同級生の実家があると言いだした。

その同級生は僕もよく知っていて家族ぐるみで遊んだりもたまにしていた。

 

みかちゃんは同級生は結婚してから実家にはいないと分かっているのに同級生の実家に電話しだした。

 

同級生のお母さんが電話に出ると

「助けてください。私はBちゃんの高校の友達です。旦那が死にそうです。このままでは死んでしまいます。今すぐ助けに来てくださいお願いします、お願いします今すぐ助けに来てください」と言っていた。

 

間も無くするとBちゃんのお父さんとお母さんが不思議そうに来てくれた。

どしたん?大丈夫??とお父さんが聞いてくれたがみかちゃん

「旦那が死にそうなんです。助けてください!」と意味不明な事を言っていた。

 

僕は夢見心地のままお父さんとお母さんにすいません、なんか僕もよく分からないんですけど、ずっとこんな感じで車からも出ることが出来ないんです。とお父さんとお母さんに謝り続けた。

 

少し同じやり取りを繰り返したのちに、どうしようもないお父さんは警察を呼んでくれた。

 

そして警察が来るまで近くにいてくれた。

その後警察が来てくれたので友人のお父さんとお母さんにはお礼を言って帰ってもらった。

 

警察が到着し、どうしたんですか?と尋ねられるとみかちゃんは「旦那が死にそうなんです。助けてください。旦那がおかしいんです。」と言っていた。とりあえず車から出て下さい、別々に話を聞きますと警察に言われ、やっと車から出ることが出来た。

 

警察にはどうしたんですか?何か奥さんに暴力ふるったりしてますか?と聞かれ、全くそんなことはしてないし、僕の奥さんあんな感じでは無いんです。なんか今日の昼から急におかしくなっちゃって僕も訳わからないんですと答えた。

 

みかちゃんが警察の人と何を話ししているのかは全く分からない。

ただすごく興奮している状態だった。

 

その後、最終的にみかちゃんがお義父さんと僕の父親を携帯で呼んだ。もちろん僕が死んでしまうと言って呼んでいた。両方の父親も何がなんだか分からないまま現場に到着した。

 

最終的に警察と両方の父親と僕が話してとりあえず家に帰ることになった。

みかちゃんは僕の車を置いていけと言っていたが、みかちゃんとお義父さんが帰った後自分の車に乗って帰った。

 

また僕の父親にみかちゃんが昼間自分の車を乗り捨てた駐車場まで送ってもらいみかちゃんの車もピックアップしてアパートに帰った。

 

みかちゃんは子供2人を預かってもらっているみかちゃんの実家に泊まる事になった。

 

僕は今日1日何があったかよく理解出来ないまま、1日が夢見心地のような感じだった。

 

自然と1日寝たら、明日になれば普通の1日になっているだろうとなんの根拠もない予想をしていた。