忘れもしない1日。初めての陽性反応。♯２

ん？

どうゆう事？？

僕は一瞬何が起きているか全く分からなかった。

みかちゃんは相変わらず電話の向こうで鬼気迫る感じで「今すぐ助けて、早くきて、死んでしまう！」と物凄い剣幕で言っている。

少し時間をおいて分かった今から行く。場所はどこ？と聞くと「〇〇の近くにいるからすぐ来て」と言いながら、「あっ知り合いがいた。助けてもらうから」と言いながら電話がプツンと切れた。

僕は全く意味が分からず。呆然とその場に立っていた。何が起きているのか？みかちゃんは何か事件に巻き込まれているのか？

電話が切れて数分後、またみかちゃんから電話が鳴った。

「Aくんが偶然通ったから助けてもらった。Aくんは命の恩人や！と言ってきた。

Aくんとは僕の後輩の旦那さんでとっても優しい人だ。携帯をAくんに変わってもらい事情を聞くと、みかちゃんが道路から叫んできてて何事かと思い車を停めた。

Aくんは、ただ事では無いと察知してみかちゃんを保護してくれた。

そのまま、Aくんと集合場所を決めて僕はみかちゃんを迎えに行った。

集合場所に到着すると間も無くみかちゃんがAくんの車で来た。なぜか手には塩を持っていた。Aくんが途中で買ってくれたみたいだ、塩を舐めると落ち着くからと塩を少しずつ舐めていた。みかちゃんを助けてくれたAくんに十分にお礼を言い、みかちゃんを自分の車に乗せた。

何があったのか？仕事はなんで休んでいるのか？聞きたいことは山ほどあるがみかちゃんの様子がおかしい。

 ちなみに、僕の妻みかちゃんはとっても温厚でおっとりとしていて優しくて周りに気配りが出来る人で僕にとってこれ以上無いくらい最高な妻だ。

その日のみかちゃんはこれ以上無いくらいの早口でまくしたてるように話しをしていてとても興奮していた。

何があったん？と聞くと甘いものが食べたい、甘いもの食べてからでいい？と言われたので分かったと近くの和菓子屋さんへ行った。和菓子屋さんで和菓子を購入して帰った。その後みかちゃんから話を聞くが、話の内容が唐突すぎて意味が分からない。

例えばアパートの周りに怪しい人が彷徨いていたとか、アパートの二階の人が自殺したんじゃ無いか等。急にどうしたのか意味が分からなかった。

話が二転三転するがちょうど２〜３日前に昨年末に亡くなった友人のお母さんが天国からその娘さんに伝えたいことがあると言い出した。もちろん生前のそのお母さんと面識は全く無い。

和菓子を購入後、帰りにその友人にお母さんからのメッセージを伝えに行きたいと言い出したので急遽その友人に連絡を取り、メッセージを伝えに行くことにした。

この時、僕は何が起こっているのか分からず夢見心地だったが、みかちゃんの今までにない剣幕に押されて一緒に付いていった。

友人は急にどうしたの？といった感じでぽかんとみかちゃんの話を聞いていた。僕に大丈夫？という顔をしていたが真剣にみかちゃんの話を聞いてくれた。

その後、とりあえずアパートに帰ろうか？と聞くと物凄い剣幕であの部屋には帰りたくない、実家に泊まると言い出した。

急にわけわからないがとりあえず実家に帰ればいいよ、今日は子供たちと実家に泊まりというと、僕にも帰って欲しく無いと言ってきた。