統合失調症の妻と子供たちが僕に教えてくれた事。

ある日妻が統合失調症になりました。初めての陽性反応から入院、退院してから現在までの事を少しずつ綴っていきたいと思います。同じ疾病を抱えた人やその人を支える家族の方へ少しでも情報提供になればと思います。

育児から学んだ大切な事。

みかちゃんが入院して、子育てと家事を全て僕がすることになった。

入院してからの半月はまだ生活のリズムもバラバラで僕の気持ちも無茶苦茶で当時は本当に毎日何とか生活しているという感じだった。

僕の睡眠時間もほとんど無く毎日2時間から3時間位だった。

睡眠時間が少ない為、子供に対してイライラしてしまうこともあった。子供に当たることは出来ないので当時はよくパンを床に投げつけたり、子供のいないところでものを蹴飛ばしたりしていた。

 

子供がご飯を食べてくれない、ゆうことを聞いてくれない、洗濯の汚れが落ちない、必要なものがどこにあるのか分からない等。

本来であれば娘も保育園に行かなければならないのに、入園式以来ずっとおやすみ状態が続いた。

 

もちろん保育園の園長先生には事情を話しているので問題はなかったが、実際娘が保育園に行き出したのは入園から約3週間経過してからだったと思う。

他の子供たちとは別に、慣らし保育からスタートした、

最初は1時間預かりから、2時間、3時間、お昼ご飯食べてからお迎え、などと本当に臨機応変に対応してくれた。

娘の体調が悪い時は、保育園に連れて行ってもすぐに呼び出され迎えに行くということも度々分からなかった。最初はそんな時に保育園を休ますか行かすかというさじ加減すら僕には分からなかった。

 

当時僕は仕事もほとんど出来ておらず、会社にすら行っていなかった。

今思い出すと、当時は本当にいっぱいいっぱいだった。

家事と育児の合間に統合失調症についての勉強をしたりしていた。自分の時間はほぼ無くて僕自身がストレスでどうにかなりそうだった。

 

でもそんな中でやっぱり一番の支えになるのは子供の笑顔だったり、子供の成長だった。

子供は子供なりに何かを感じてくれている気がする。

息子はお母さんは居ないけどこのお家がお母さんやねと言っているし、娘はある日突然授乳が終わったにも関わらず普通のご飯をいきなり食べてくれている。

 

この子供の成長を早くみかちゃんと一緒に味わいたいとずっと思っていた。

育児をしていて気づいたことがある。

怒りだ。最近はアンガーマネジメントとか色々怒りをコントロールする、理解するみたいなのがあるが僕は育児を通して怒りについて自分なりの理解を見つけた気がする。

 

子供たちがいたずらしたり、お茶をこぼしたり、お菓子をこぼしたり、服を汚したりするのは当たり前の行為で、毎日欠かさず必ず何かしらの項目を行ってくれる。

ある時僕は気づいた、子供達は毎日同じように事件を起こすのに、僕自身優しく出来ることもあれば怒り狂うこともある。

 

何が違うのか、子供達は変わらない。

 

そう、僕自身のその時の気持ちの余裕だ。

気持ちに余裕があれば、優しく子供達をフォロー出来る。

気持ちに余裕が無ければ、怒り狂いパンや冷蔵庫や壁に当たっているのだ。

 

僕は気づいた、本当にとても大切なことに。

全ては自分次第なんだと、自分の気持ちの余裕次第なんだと。

 

僕の気持ちの都合で子供達に対して優しくなったり、怒ったりすると子供たちが困惑してしまう。

 

本当に大切な事を育児を通して気づくことが出来た。

これに気づいた時、本当に気持ちが晴れた。

全て自分次第なんだ。

 

こんなに大切な事を教えてくれたのも、今の環境があっての事だ、育児って本当に楽しいし勉強になる。

 

子供達、ありがとう。お父さんは全く完璧ではないけど君達と一緒に成長して行くよ。