統合失調症の妻と子供たちが僕に教えてくれた事。

ある日妻が統合失調症になりました。初めての陽性反応から入院、退院してから現在までの事を少しずつ綴っていきたいと思います。同じ疾病を抱えた人やその人を支える家族の方へ少しでも情報提供になればと思います。

大好きな先輩が教えてくれた事

今日は僕の40歳の誕生日で平成最後の日そして、大切な先輩のお葬式。

 

先日お昼寝中に鳴った携帯は僕の大切な大切な先輩が亡くなったとの報告だった。

 

僕は会社に数人尊敬している先輩がいるがその先輩は僕にとって特別だ。

 

僕が入社した10数年前、入社後の資格テストにて1問間違え100点が取れなかった時に「お前もう辞めたら?舐めてんの?」と声をかけられたのが最初だった。

 

全く話した事のない先輩からいきなりそんな風に言われてかなり怖かったのを今でも覚えている。

 

そして入社して1年から1年半くらいの間ほとんどその先輩と話をする機会は無かった。

 

そして、仕事が上手くいかず、結果も出せず悩み苦しんでいるときに声をかけてくれたのもその先輩だった。

 

「飯行こか!」と。

 

それ以来毎月、毎週のように飲みに連れて行ってくれた。

毎回、美味しいものをご馳走してくれて、沢山食べて沢山飲んで帰るのは2時3時のような感じだった。

 

僕は毎回食べて飲んで全て酔っ払ってリバース。笑

 

そんな事を毎回していた。

 

仕事の悩みなんかも聞いてくれたりしたが、その先輩とは仕事の話はあまりせずとにかくその瞬間を毎回楽しませてくれた。

いつの間にか僕の兄貴分みたいな感じだった。

本当に可愛がってくれて、仕事の事よりも大人のルールやマナーとか礼儀とかそんな感じの事を沢山教えてくれたのもその先輩だった。

 

もう、本当にいくらご馳走になったかなんて覚えていない、その先輩との食事にお金を払ったことなど一度もない。

 

そんな先輩とは昨年僕がみかちゃんの件で会社にほとんど行っていない状態だったので少し落ち着いてから一緒にランチに行って状況を聞いてもらった。

先輩はいつものように優しく僕の話を聞いてくれて全てを受け止めてくれた。

みかちゃんの事も付き合っていた頃から知ってくれて、よく深夜に僕がラウンジで酔っ払って寝ていた時に、先輩がみかちゃんを呼んでくれて、気がつくとラウンジのお姉さんに囲まれてみかちゃんが美味しそうに山盛りのフルーツ盛り合わせを食べていた時もある位。

 

そんな先輩が入院している事を知ったのは2週間前。

 

あまりにも会社に来ないので気にはなっていたが、お母さんの介護とか大変なのかなくらいに思っていた。

ある日夢に先輩が出てきて、僕は無性に先輩が気になって色々な人に聞いたが誰も知らないとの事。

 

僕は気になって携帯に連絡したが出ないし折り返しもない。

そんなある日先輩から連絡があった。

 

入院している、暇ならお見舞いに来てくれと。

僕ともう1人僕の同級生の仲良しと一緒に。

 

その子は同級生だがキャリア的には僕が3年くらい先に入社している。

同じようにその先輩に可愛がってもらっていた仲間だ。

僕はそいつといつもその先輩の話をして心配して色々と情報を集めたが全く何も分からなかった。

 

結果的に先輩から連絡があり、そいつと一緒にその日のうちにお見舞いに行った。

 

 

先輩は痩せ細り、足はむくみ、元気な頃とは全くの別人になっていた。

だが相変わらずの男前で僕は久しぶりに先輩の顔を見れた事でかなりテンション上がったし安心した。

 

連絡くれて本当にありがとうございます。と伝えた。

病気の説明とか病状の説明を一生懸命してくれた。

内容はほとんど頭に入ってこなかった。

 

「たがこれから可能な限り毎日お見舞いに来ます。

先輩は野球が好きなのでスポーツ新聞持って。

新聞毎日届けます。」と伝えた。

先輩は「お前も家事とか育児とか大変なんやから無理せんでいいよ」と言ったが、僕は「いやいや必ず来ますよ」と伝えた。

 

それ以来僕は毎日のようにスポーツ新聞を届け、先輩が食べたいものを届け、少しでも出来るだけ一緒に過ごせる時間を確保した。